新築の家ほんとうにいる?
家のお仕事をしていると、日本の異常な新築文化を目の当たりにします。
個人の見解としては、銀行が損をしないように、中古住宅だと住宅ローンをおろさず、新築ならおろすというケースが非常に多い。
そうすると、中古の住宅を買おうかと思っていた人も、全額ローンを組める新築を買います。
人口はどんどん減少しているのに、こんなに新築の家を建てまくって、将来どうなることやら。
今の段階で空家は社会的問題になっています。
新築と中古の比率を見ると、明らかです。
中古住宅を買う率は、日本はたったの約15%ですがアメリカは約81%、イギリス約86%、フランスは約70%。
新築でなければならないと刷り込まれているせいで、身の丈に合わない住居を手に入れて、ローンのために過重労働、家に手が回らず、新築で手に入れた家も資産価値は目減りするだけ。
そんなことを大多数の日本人がしています。
耐用年数で見ると、20~30年で壊される日本の家屋に比べて、海外では50年100年単位で残っています。
20~30年で壊されることを見込んだ今の新築の建物は“ちゃっちぃ”という印象です。
家のローンのために、残業三昧、家族の時間を持てず、ローンを完済するころには家族関係は崩壊、あるいは死ぬ、あるいは死んだ後に子どもに負動産として残す。
そんな一生を送りたいですか?
住む場所は、1番長くいる場所。
もう少し真剣に向き合った方がいいです。
素敵な家は、手入れされている家
仕事がら大富豪の家や、独特のセンスで建てられた家、コンクリート打ちっぱなしの家、地区100年の昔の家、狭い敷地に高く建てられた鉛筆みたいな家、いろんな家を見ます。
入った瞬間、「うわ~素敵な家!」と感じるのは、大きさや新しさやデザインや立地ではありません。
感激するときは(あまりありませんが)、手入れされている家に入ったときです。
引越前で段ボールに囲まれていても、長年手入れされている家はすぐにわかります。
- お金があるばっかりに部屋数が多い家を建てて、ごみ集積場みたいになっている家
- 家を売るときに、モノの処分費用だけで何百万円かかる家
- 見切り発車で高い建築代を支払ったため、内装にお金をかけられず、素人レベルの変なDIYを施しまくって売るときにとんでもないことになっている家
- 住宅ローンを無理しすぎて離婚に至る家
こんな家はもったいないのです。
“高い家=素敵な家”ではありません。
“手をかけられている家=素敵な家”です。
- 階段の隅に埃が堆積されていない
- 長年かけっぱなしの額縁の裏に埃が1cm以上ついていない
- 手垢だらけの写真立てではなく、つるんとした写真立てがある
- トイレ芳香剤なしで無臭の家
- 水回りに変色がない
- サッシが土まみれでない
- さっと拭き掃除ができる家
- 風通しのいい家
これらは、大豪邸でなくてもできることです。
問題をすり替えない
片付けにくいなと思ったときに収納グッズを買うことも、家が手狭になってきたと感じて大きな家に住み替えることも、問題のすり替えです。
片付けにくいときは片付けやすいように、家が手狭に感じたときは人間に照準を当てるために、モノに家から出て行ってもらうのが正解です。
- モテたいときは、洋服やメイク道具を買うのではなく、生活習慣を見直す
- おしゃれな部屋にしたいときは、デコレーションを増やすのではなく古くなったカーテンを取っ払ってみる
- 洗練されたイメージを持ちたいときは、高級ジュエリーではなく、手入れされた髪と爪と肌
こんな風に問題解決の近道には、多大な努力と時間がかかるため、かんたんに変えられそうな気がするモノを買うという単純行為を繰り返します。
そうしていると、またモノが増え、また手入れできない箇所が増え、とどんどん負のスパイラルに陥ります。
問題をすり替えず、長期戦になったとしても長い人生で見れば少しの時間です。
目を背けず、着実に解決していきましょう。
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